2023-06-21

写真以外の思い出の残し方とは?ー2013年・フィンランド旅

思い出のストックを、写真以外のやり方で本格的に始めるきっかけとなったのは2013年のフィンランド旅行。
はじまりは異国への旅だったけれど、今では日常のワクワクした出来事も含めて「大切な思い出」として捉えてストックするようになりました。

ちなみにフィンランド旅では主に以下3つの記録方法にチャレンジ。

  • 記録1 旅メモ
  • 記録2 旅日記
  • 記録3 旅先でのスケッチ
  • おまけ 旅の下調べ資料

そこで今回はその旅と3つの記録を振り返りつつ、「思い出を残す」ということについて今わたしが大切にしている考えをまとめてみました。

きっかけ ”旅から戻って写真しか残っていないのは勿体無い”

学生時代から建築やインテリア雑誌等で何度も見てきた憧れの地、フィンランド。
初訪問だった2013年の旅のテーマは、好きなフィンランド人建築家であるアルヴァ・アアルトの建物めぐり。
全10日弱の日程で首都ヘルシンキからユヴァスキュラ、タンペレ、トゥルクといった地方都市まで、結構勢力的にまわりました。

やっとまとまった休みが取れて訪問が叶ったのもあり、
「これだけ時間とお金をかけて行くのだから、いつもの旅行のように、帰ってきて写真だけしか記録が残っていないのは勿体無い
写真以外の形で思い出を残そう
そんな想いを抱いたのが、わたしがこのような記録活動を始めるきっかけでした。

記録1 旅メモ

フィンランド到着後は、建築家アルヴァ・アアルトの建物見学や長距離列車での移動タイミングで、まず旅のメモを取ることにしました。

学生時代の友人も皆驚くのですが、わたしは元々記録好きだったわけではなく、転職先で早く仕事を覚えるため必要に駆られてメモを始め、次第にその魅力にハマり、今ではすっかり記録魔に…という経緯を経て今に至ります。

ちなみにこの時はまだまだメモ初心者の時期。
旅のメモにも不慣れで、特に立ったままでの筆記には苦労しました。

記入内容も旅の各地点での「なんだか気になる」といったものを走り書きで書き留めておく程度。
それでも「自身の体験をその場で記録する」という行為そのものが新鮮で楽しく、興味をおぼえたものはとりあえず何でも記すようにしていました。

記録2 旅日記

メモ帳と併せて現地に持って行った普段使いの手帳には、文章ベースで旅日記をまとめていました。
日記は昔からある記録形態なので、こういったダイアリースタイルで旅の思い出を綴っているという方も多いかもしれません。

残したい事柄がとにかく沢山あったので、多くの内容を記すため1ページを2段組にして記入。
毎日長距離移動でクタクタの中、よくこんなに書いたな~と当時の自分に感心です。

とはいえ書いてあるのは“何時にどこに行った”といったよくある内容で、イラスト等もほぼなし。

それでも
「アパートメントホテルでの朝食はSEIYUのPBレトルトカレー。朝からパワーをチャージ!」
「寒い地域には共通の空気があるのか、フィンランドの空気は肌になじみ、異国に来た感じがしない」
「セイナッツアロ役場行きのバスは停留所の表示が出ず降車場所がわからない。そこへ来た地元のマダムが”着いたら教えるわよ”と英語で声をかけてくれる。感謝~!」

文章の中の具体的な内容(ディテール)に目を通していくと、当時の自分の様子をリアルに思い出すことができるように思います。

記録3 旅先でのスケッチ

旅先でサラサラっと小さなスケッチを描く。
考えただけで「わくわく」「かっこいい」「わたしもやってみたい」と、半ば憧れだけで現地でのスケッチ活動にもチャレンジしました。

描き始めること自体は気軽に出来たものの、メモや日記に比べて満足のいくアウトプットは簡単に得られず…最終的には「もう記録するのやめようかな〜」とすっかりモチベーションダウン汗。
特にせっかく見に行ったアアルト建築のスケッチが思ったように上手く描けないことは、ほんとうに悔しかったです。

上の写真は移動中の列車内での一コマ。スケッチノートを前に、思うように描けず悶々としているわたし。

未熟なへたっぴ画が描かれた紙面は、当然全く“映え”なかったため、この時のスケッチ画は引越しの際に廃棄してしまい、残念ながら現在は手元にありません涙。

今となっては、どんな内容であっても記録自体に価値があるのだから捨てずに残しておけばよかったと非常に後悔しています…。

おまけ 下調べ資料

当時は旅の下調べもとにかくアナログ。

「限られた時間の中で効率良く色々なスポット巡りたいし、とにかく事前の計画を入念にしよう」と休日のたびに夫と地道な調べ作業をしていました。

iPadもGoogleMapも使っていなかったので、A4のコピー用紙にスケジュールを書き出して旅程のイメージを固めたり、ガイドブックや建築雑誌の記事をコピーしフラットファイルに綴じて調べた情報をまとめていました。

この時の資料…見た目はかなり事務的ですが笑、初めて行く国・場所について自分に必要な情報を一生懸命探して集めた様子、旅への熱量が感じられます。

今見返しても、これも立派な旅の思い出記録だなあと思えます。

まとめ

何はともあれまずは「残すこと」

走り書きのメモやありきたりな内容の日記であっても、ほんの一言、自分らしいコメントが残されていることで、そこが糸口となって当時の記憶を一気に呼び覚ませる…それが写真以外のやり方で思い出を残す何よりもの魅力だと思います。

記す媒体は手帳、ノート、スケッチブック…なんでもかまわないと思うし、思い出の残し方に正解はないので、はじめはあまり「これ!」と決めつけずいろいろな方法を試してみるのが大事かもしれません。

「写真には映らないもの」を残す

いちばん大切なのは、”その瞬間の気持ち”やカメラのシャッターを押さなかった”何気ない時間”といった「写真には映らないもの」を残すこと。

行った場所や起こった出来事の概要であればガイドブックや写真の撮影情報をもとに後から推測することが可能です。

でもその瞬間のフレッシュな気持ちは旅から戻り日々に忙殺されているうちに、ほぼ確実に思い出せなくなります。

書いたもののうち、後から使えるのが実際どれくらいなのかは旅の最中にはわかりません。

ただ「思い出」は、写真に残っているようなキャッチ―な部分だけではない小さな時間の積み重ねから成り立っているので、そんな一コマ一コマをしっかり心に留めておきたい。

だから「なんてことない話だし」「気の利いたフレーズじゃないけど」「下手くそなスケッチで恥ずかしい」と感じたことでも、まずはとりあえず残しておくことが大切だと思っています。

最後に…旅行中に一息つきつつ、カフェで記録作業をする時間は何よりの贅沢♩

(上の写真はこの旅の最中、フィンランドのカフェで旅日記をしたためている時の様子)

旅先のカフェはわたしにとってサテライトリビングのような存在です☺

mini_minorの著書はこちら

created by Rinker
¥1,760 (2024/05/19 18:36:33時点 楽天市場調べ-詳細)
関連記事